フィリピンと聞くと一昔前は「危険な国」というイメージが強かったですが、近年は激的に発展し、物価が安く、海がきれいなことから観光地として人気です。また高い英語力が認められ、世界中から英語教育留学先として選ばれています。ここでは、フィリピンとはどんな国なのかを紹介していきます。フィリピンについて知りたい方は、是非ご参考にしてください。

基本情報


正式名称 フィリピン共和国
 首都 メトロマニラ
公用語 フィリピノ語(タガログ語)および英語
人口 約1億1,000万人
宗教 キリスト教93%、イスラム教5%、その他2%
民族 マレー系、中華系、スペイン系、少数民族
産業 サービス業60%、鉱工業30%、農林水産業10%
時差 -1時間(日本基準)
 
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フィリピンは約7,641の島々から構成される島国で、セブ島やボラカイ島など有名な観光地が多くあります。日本からは飛行機で約4時間の距離にあり、日本から一番近い東南アジアでもあります。

地理


フィリピンは、7,641の島から成る群島国家ですが、人が住んでいる島は1,000島ほどといわれています。広さは約30万平方キロメートル、日本の80%くらいの大きさで、北緯4.23度から21.25度、東経112から127度に位置します。山が多い地形で活火山が50ほどあり、地震も発生します。海岸にはサンゴ礁が多く、海の透明度が高いため、世界中のダイバーが集まっています。

フィリピンには81の州があり、マニラのあるルソン島・セブのあるヴィサヤ諸島・ダバオがミンダナオ島の3つのグループに分けられます。


気候


1年間を通じて暖かく、年平均気温は26~27℃です。6~11月が雨期、12~5月が乾期になります。

服装については、年間を通じて日本の夏の服装で問題ありませんが、ホテルやスーパーマーケットなどでは冷房が強く効いていることがあるので、ショールのようなものがあると便利です。また日差しが強く、スコールも多いため、折りたたみ傘は必須です。

料理


フィリピンの先住民族が食べていたシンプルな調理法の料理から、スペインや中国の食文化を取り入れた料理など、多彩な味わいを持つフィリピン料理。フィリピン国民の主食は、日本と同じお米です。料理は島国のため、新鮮な魚介類を使ったものが多く、日本人に馴染みやすい料理が数多くあります。

シニガン

 

野菜とエビをベースに煮込んだ、酸味のあるフィリピンの伝統的なスープです。暑い日が続くフィリピンでは酸味のあるこのスープが食欲をそそります。

カレカレ

 

カレーのようですが、異なる料理で、ピーナッツソースで煮込んだシチューのような料理です。具材は、牛肉にインゲン、青梗菜、ナスを使います。

レチョン

 

フィリピンのお祭りには欠かせない豚の丸焼き。レモングラス、玉ねぎ、にんにくなど様々なハーブを詰めた豚をじっくりと焼き上げて作る郷土料理です。

パンシット

 

フィリピン風焼きそばです。具材には、チキンやエビ、野菜などをたくさん使い、味付けはパティス(魚醤)、カラマンシーを使います。

アドボ

 

フィリピンの定番家庭料理です。豚肉や鶏肉、牛肉をニンニクや酢、醤油、胡椒と一緒に煮込んで作ります。

 

ハロハロ

 

 フィリピンの代表的なデザート。ナタデココや数種類のゼリー、かき氷、練乳、フルーツ、アイスクリームなどを混ぜて食べます。暑い日には最高のスイーツです。

 


歴史


フィリピンの歴史は、➀スペイン統治以前(紀元前~1521年)、②スペイン統治時代(1521〜1898年)、③アメリカ統治時代(1898〜1946年)、④独立以後(1946年以後)に大きく分けることができます。

 

①スペイン統治以前(紀元前~1521年)

6万7000年前のアジア最古のホモサピエンス、ルソン原人の人骨はフィリピンの「カラオ洞窟」で発見されており、このころから人類がフィリピンに存在していたことがわかっています。

その後、東南アジアからネグリト民族が移住し、続いてマレー系民族が海を渡ってフィリピンにやってきました。1世紀にはインド、アラブ、東アジア、東南アジアの国々から宗教、言語、文化的な影響を受けながら、小さな海洋国家が点々と全国にできました。また国家まで至らなかったものの、「バランガイ」と呼ばれる独立している集落も多くありました。

 

②スペイン統治時代(1521〜1898年)

1521年にマゼランがフィリピンにやってきて、1565年にスペインによる植民地化が始まりました。この植民地化によって、フィリピンは初めて統一されました。フィリピンという国名は当時のスペイン皇太子フェリペ2世から取られています。マゼランは首長ラプラプ王との決闘で負け、亡くなっています。

そこから300年間以上のスペイン植民地化を経て、今でもその影響がフィリピンでの日常生活で垣間見ることができます。その一つとして、フィリピン人の9割以上はキリスト教であること。またスペイン語由来の言葉や地名、パエリアなどのスペイン料理は文化的にもフィリピンに根付いています。

 

③アメリカ統治時代(1898〜1946年)

1898年には米西戦争でスペインが敗戦し、長い植民地支配からフィリピンは独立を果たしましたが、アメリカはこれを認めず、統治下に置かれることになりました。1901年には公共教育が開始され、英語が教育言語として利用されるようになりました。そのため、フィリピンでは今でも英語が公用語として利用されています。

1941年に日本軍がフィリピンを空襲し、1942年にはマニラを占領しました。日本はアメリカを降伏させ,フィリピンを3年8カ月に及ぶ軍政を行いましたが、1945年にダグラス・マッカーサーによってフィリピンを奪還しました。

 

④独立以後(1946年以後)

1946年に独立をしたフィリピンは共和国として、現在に至ります。文化的にもユニークで、土着文化を残しつつ、バロック風のカトリック教会はスペインがもたらしたヨーロッパ文化の象徴であり、近代的な学校校舎はアメリカ文化を代表しています。スペイン統治時代の文化と伝統は、言語をはじめ今もなお国民の日常生活に根強く残っています。

近年では高い英語力とホスピタリティを活かし、世界中のホテルやレストラン、医療福祉分野で活躍しているフィリピン人も多く、また混血が進んだことによって美男美女が多く、ミスユニバースの常連国となっています。

 


文化


フィリピン人の多くはキリスト教信者で、それ以外の人もイスラム教など信仰を持つ人が大多数です。そのため、宗教行事は日本以上に盛り上がりを見せます。特に重要なイベントはクリスマスです。9月からクリスマスモードが始まり、12月に向けて人々の働き方が変わるほどの熱気を感じます。

また、フィリピンでは家族を大切にする人が多いのも大きな特徴のひとつ。日本のように謙遜で身内を悪く言うような言葉は耳にしません。日常生活でも家族の用事は最優先。お休みや遅刻の理由が家庭の用事であった場合は快く受け入れる文化があります。


まとめ


フィリピンの基本情報について簡単に紹介しました。フィリピンの文化と歴史を深く理解することで、この国の魅力をより深く味わうことができます。複雑で多様な歴史的背景や、豊かな文化的伝統がフィリピンを独自の国にしています。この記事が、フィリピンを訪れる際の文化的理解を深める一助となれば幸いです。